当院で行うワクチン接種について
婦人科に関連する疾患の中にはワクチンを接種することで予防できるものもあります。当院ではMRワクチン(風疹+麻疹のワクチン)、子宮頸がんワクチン、帯状疱疹ワクチンについて取り扱っています。
MRワクチン(風疹+麻疹のワクチン)
風疹は三日はしかともいわれる感染症です。強い感染力をもち、特に妊娠20週頃までの女性が感染すると先天性風疹症候群(生まれつきの心臓疾患、難聴、白内障など)の子が生まれてくる可能性が高くなります。
麻疹(はしか)も感染力は非常に強く、重症化する可能性が高い感染症です。妊婦が感染すると高い確率で早産に至ります。長期にわたる後遺症(脳炎)などを引き起こすこともあり、ワクチン接種による感染予防が重要です。
これから妊娠をお考えで未接種の方、接種不明の方、同居のご家族は妊娠前の抗体検査と接種がおすすめです。
子宮頸がんワクチン
子宮頸がんは主に性的接触によって起こるがんで、他のがんに比べると比較的若い女性(20代~30代)が発症する割合が高いことが特徴です。がんの原因となるHPVウイルスは女性の多くが一生に一度は感染すると言われておりますが、ほとんどが自己免疫力などで回復します。しかし数%程度の割合で癌化するといわれており、この感染を防ぐのが子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)です。防ぐことができるHPVの種類によって、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。 現在このワクチンは定期接種の対象となっており、小学校6年生~高校1年生までの女子が対象となっています。この期間を過ぎてしまっていても一定の年齢まではキャッチアップ接種と呼ばれる公費での接種が可能で、万が一その期間を超えてしまった場合でも自費での接種を受け付けています。
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)
帯状疱疹は水ぼうそうになったことがある方に発症する病気で、50代を過ぎる頃から発症率が上がります。そのため50歳以上の方を帯状疱疹ワクチンの対象としています。費用については全額自己負担ですが、川口市・蕨市では助成を行っています。
ワクチンには2種類ありますが、当院で扱っているのはシングリックスと呼ばれるものです。予防効果は50歳以上の方で約97%、70歳以上で約90%、効果の期間は9年以上との報告もあります。接種回数は計2回で、2回目の接種は1回目の接種から2ヶ月後から6ヶ月以内に接種します。注射部位の痛みや腫れなどの副反応が見られることもありあますが、一週間程度で解消されます。