不育症について
不育症とは、妊娠はするものの2回以上流産・死産を繰り返してしまい出産に至らない状態のことをいいます。2回以上連続する流死産は反復流産、3回以上連続する流死産は習慣流産と呼ばれます。習慣流産は1%程度の確率で起こります。
原因と検査
原因は抗リン脂質抗体症候群、子宮奇形、夫婦染色体異常、胎児染色体数的異常などがあり、25%程度は原因不明ともいわれます。
不育症が疑われる場合は子宮の形を調べるためにエコーを用いた検査、ホルモン量や血液凝固因子の有無などを測定するための血液検査を行って原因を特定していきます。
反復着床不全について
体外受精や顕微授精でできた形態が良い受精卵を移植しても、繰り返して着床しない状態が反復着床不全と呼ばれます。受精卵に問題がある場合、子宮に問題がある場合、また双方に問題がある場合も原因として考えられるため、現代の医療であっても原因を明確にすることは難しいとされます。
子宮側の原因としては子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、最近では慢性子宮内膜炎との関連性も指摘されています。中絶手術を繰り返すことも原因の1つと考えられます。
治療について
不育症、反復着床不全の治療は原因によって治療法が変わります。内分泌異常であれば、甲状腺機能異常や糖尿病が考えられるので、原因疾患をしっかり治療してから妊娠に臨みます。子宮中隔、ポリープや子宮内膜症が原因の場合は手術療法が検討されることもあります(その場合、手術可能な医療機関をご紹介いたします)。また、抗リン脂質抗体の異常があり、抗リン脂質抗体症候群の場合は、低用量アスピリンや抗凝固薬ヘパリンを使用した治療を行います。