不妊検査について
継続的に特定のパートナーと性交渉を行っていて、妊娠の兆候が一定期間(1年以上)みられない場合、不妊症と診断されます。この場合は女性だけでなくパートナーと一緒に各種不妊検査を受けることをおすすめします。ただ、女性側の年齢が40歳以上である、男性側に性機能障害があるなどリスク因子がある場合は1年を待たずに可能な限り早めに検査を受けることが望まれます。
不妊検査は行っても原因が判明しないことが多く、不妊かどうかはあくまで一定期間の妊娠の兆候で判断します。検査結果は治療方針を決めるための参考にしますが、年齢や不妊の期間をより重要視します。
不妊検査の種類
基礎体温
毎朝、目が覚めたら体を動かさず布団の中で寝たままの状態で婦人体温計を舌の下にはさんで舌下体温を計ります。これによって排卵の有無や排卵日の予測、黄体機能不全の有無が確認できます。
超音波検査
子宮全体の肥大や変形、子宮内膜の状態などのほかに筋腫や内膜ポリープの有無、卵巣の状態、卵胞の大きさ、卵巣嚢腫などの異常がないかを確認します。
抗ミュラー管ホルモン(AMH)
卵巣の中にどれくらいの数の卵子が残っているかを調べるための検査です。
ホルモン検査
月経3日目~5日目に行う検査です。血液検査によりFSH(卵胞刺激ホルモン)、E2(卵胞ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)、PRL(乳汁分泌ホルモン)などを計測します。
クラミジア検査
採血によって血液中のクラミジア抗体を調べる抗体検査と、子宮頚管内の擦過でクラミジアの抗原を調べる抗原検査、この2つの検査でクラミジア感染の有無を確認します。卵管の病変の有無を予測する検査です。
卵管造影検査
子宮腔にヒスキャスを入れ造影剤を注入し、造影剤が子宮から卵管を通り腹腔内に流れ出す様子をX線で観察します。子宮腔の形、卵管の通り具合などを調べます。2日目の撮影では腹腔内の癒着の有無を調べます。治療的な効果もあり、この検査後妊娠することもあります。
フーナーテスト
排卵時期に性交渉をもったあと、頸管粘液の内容を調べる検査です。性交渉当日もしくは翌日(性交渉を持って12時間以内)に女性の頸管粘液を少量採取して、その中に運動している精子がどれくらいいるかを顕微鏡で調べます。
精液検査
精液の量、精子の数、運動率や奇形率、受精能力(サバイバルテスト)を調べる検査です。2~3日程度の禁欲後、検査を受けることをおすすめしています。
その他、必要と判断された場合は子宮鏡などの特殊な検査を行うこともあります。